2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20402055
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
稲葉 継雄 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (00134180)
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Keywords | 帝国「日本」 / 満州 / 植民地 / 間島 / 被支配地域 |
Research Abstract |
近代日本は、琉球・千島・台湾・関東州・南樺太・朝鮮・南洋諸島・満洲などに勢力を伸ばし、一部は植民地として統治した。このうち、台湾・関東州・南樺太・朝鮮・南洋群島は本州・四国・九州・千島を含む北海道・琉球・小笠原によって構成される「内地」とは区別されて「外地」となり、異なる法体系の下に置かれた(樺太は昭和18年に内地に編入)。内地人には内地に関する戸籍法規によって身分上の本拠を表す地域籍(民族籍)が内地であると明示され、外地人にはそれぞれの地域の戸籍法規によって台湾・朝鮮等の外地に本籍を置いていると明示された。つまり、内地人と外地人の違いは、戸籍法規によって根拠づけられた地域籍の所属に裏付けられていたのである。しかし、これら民族籍によって厳格に居住が制限されたわけではなく、たとえば朝鮮人は内地人との縁組等で内地籍を取得して内地人となったり、また樺太や台湾、遠くは南洋諸島にまで生活の場を求めて移住したりした。 そこで、今年度はサハリン調査を行うとともに、コリアン・ディアスポラに着目して朝鮮・南洋群島・樺太・満洲の民族接触や教育、生活、文化の比較研究を行い、帝国〈日本〉を再考していくことを目的として、南洋、満洲、サハリン、朝鮮を包括した研究会「帝国〈日本〉のコリアン・ディアスポラ-朝鮮・南洋群島・樺太・満洲」を開催し、また、世界韓国学研究コンソーシアム(UCLA、SOAS、ソウル大学校、北京大学、ハーバード大学、オーストラリア国立大学などで組織)を活用して研究ネットワークを構築した。
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Research Products
(11 results)