2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20403005
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
湯田 利典 Kanagawa University, 工学部, 教授 (60092368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立山 暢人 神奈川大学, 工学部, 教授 (30102239)
日比野 欣也 神奈川大学, 工学部, 教授 (80260991)
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Keywords | ヤンパーチン / 空気シャワー観測装置 / 一次宇宙線 / 宇宙ガンマ線 / 宇宙線異方性 / ミューオン検出器 / コア検出器 / knee領域 |
Research Abstract |
中国と共同でチベットのヤンパーチン高原(標高4300m)に空気シャワー観測装置を設置し、高エネルギー宇宙線及び宇宙ガンマ線の観測を行なっている。現在の装置は2003年に完成されたもので、約800台のシンチレーション検出器(各0.5m^2)を7.5m間隔の基盤目状に配置したもので、世界最大規模(総有効面積37000m^2)である。すでに、かに星雲、活動銀河核(Mrk501,421)からの高エネルギーガンマ線の観測、シグナス領域の広がったガンマ線源、knee領域を含む0.1-100PeV(1PeVは10の15乗電子ボルト)までの3桁に及ぶ一次宇宙線のエネルギースペクトルの観測、宇宙線強度の異方性などについて世界的に評価の高い結果が得られている。 これらの結果に基礎をおき、ここ数年、この装置の地下約2.5mに総面積約1万m^2のミューオン検出器(水チェレンコフ検出器)、約8000m^2x12プール)を装置し、シャワー中のミューオンを検出し、宇宙ガンマ線の検出感度を大幅に上げる計画を実現するためにR&Dを行なってきた。一昨年秋に建設した面積100m^2の水チェレンコフ・ミューオン検出器は順調に稼動し、期待通りの結果が得られ、計画の見通しが立った。平成22年度に約2000m^2のミューオン検出器(3個の水プール)を建設する予定である。 これと同時に、knee領域の一次宇宙線の核種分布を調べるために空気シャワーコア検出器の設置も行なっている。今年度に16台のコア検出器(シンチレータ+35mm厚鉛板)を空気シャワー装置の中央に設置し、現在そのデータ収集を行なっている。次年度に検出器の数を約200台(有効面積約1000m^2)に拡張する予定である。これまでに得られたデータを解析して論文に纏め、レフェリー付きの学術雑誌に投稿し、掲載された。
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Research Products
(11 results)