2008 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピンから産出する化学合成化石群集の成立条件の解明
Project/Area Number |
20403015
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
間嶋 隆一 Yokohama National University, 教育人間科学部, 教授 (30202310)
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Keywords | 化学合成化石群集 / フィリピン / レイテ島 / メタン湧水 / 鮮新世 / Burabud凝灰岩層 / 地すべり堆積物 / 自生炭酸塩 |
Research Abstract |
本年度の成果は以下である. 1. Leyte島北西部の海岸沿いBuhocからSilad Bayにかけて地質柱状図を作成し,化学合成化石群集の産出層準の検討を行った.その結果,化学合成化石群集はBurabud凝灰岩層(間嶋ほか,2008)直下の泥質岩相から密集あるいは散在的に産出し,また同凝灰岩層の直上の砂岩層から密集して産出することが分かった.当地域の地層は南に向かって層厚を減らし,粗粒化することが判明した. 2. Cambantug Point周辺からシロウリガイ化石の極めて保存の良い自生的産状を確認した.驚くべきことに,これらの化石の一部は,コンクリーション化して層理面から突出して露出しており,現在の冷湧水場のシロウリガイ類の産状そのものを示していた. 3. Burabud凝灰岩層直下の層準には極めて広範囲に地すべり堆積物が観察された.これらの地すべり堆積物中に多くの化学合成二枚貝化石が産出することからメタン湧水に伴う堆積物の不安的化の結果として地すべりが生じた事を強く示唆する. 4. 従来Burabud凝灰岩層と判断していた厚い白色泥質層は泥岩である可能性が高い.Burabud凝灰岩層は,この白色泥質岩相直上の軽石質凝灰角礫岩層が主体であることが判明した.詳しい検討は今後薄片等で行なう予定である.
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Research Products
(1 results)