2013 Fiscal Year Annual Research Report
ボルネオ低地フタバガキ林における植物-送粉者ネットワーク構造とその生成要因
Project/Area Number |
20405009
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒井 章子 京都大学, 生態学研究センター, 准教授 (30361306)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2014-03-31
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Keywords | 送粉 / 相互作用ネットワーク / 進化 |
Research Abstract |
H25年度は、主に、トウダイグサ科オオバギ属の送粉様式と進化、植物-送粉者ネットワークのメタ解析について、研究を進めた。 1)オオバギ属の送粉様式の進化について オオバギ属の送粉様式は、花弁や額など花の器官ではなく、花の外の器官である苞が送粉者との相互作用に重要な役割を果たしていることに大きな特徴がある。本研究では、オオバギ属50種の苞の形態を計測し、主成分分析などに基づいて、3つのグループに分類した。3つのグループは、風媒、花外蜜を求めて訪花する昆虫による送粉、アザミウマやカメムシなど花序の上で繁殖する昆虫による送粉、という3つの送粉様式に対応していると考えられた。分子データに基づく系統樹上にこれらの形態グループをマッピングし、祖先復元を試みたところ、それぞれの形態は繰り返し獲得されたことが示唆された。これらの結果から、これまで花弁など花の器官で示唆されてきたように、苞の形態も送粉様式に応じて柔軟に変化すること、しかしながら、同じ送粉様式が繰り返し進化していることから、進化の方向性には大きな制約があることがわかった。オオバギ属の場合は、アリとの防衛共生関係が進化の方向性を決める重要な要因の一つとなっているかもしれない。この成果は、3月の生態学会で発表を行ったほか、国際誌に投稿済である。 2)植物-送粉者ネットワークのメタ解析について 本研究課題の期間を通じて、植物ー送粉者ネットワークの構造の地理的な変異をメタ解析によって明らかにし、その要因をゲーム理論に基づくモデルを使って検討を行ってきた。今年度は、この課題について、3月の生態学会で発表を行った。また、論文を完成させ、国際誌に投稿することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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