2008 Fiscal Year Annual Research Report
東ユーラシアにおける新生代後半の霊長類進化に関する古生物学的研究
Project/Area Number |
20405015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高井 正成 Kyoto University, 霊長類研究所, 教授 (90252535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 剛 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (80452308)
米田 穣 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30280712)
鈴木 淳 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (60344199)
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Keywords | 霊長類 / 化石 / 古環境 / 同位体分析 / 進化 |
Research Abstract |
1)ミャンマーにおける発掘調査と ミャンマー中央部のイラワジ川流域には後期始新世〜中期更新世のイラワジ層において霊長類化石の発見を主目的とした発掘調査を行った。本年度はチャインザウック村のMkt地点、及びグエビン村のGbn地点において発掘調査をおこない、チャインザウックでコロブス類の下顎骨・遊離歯化石を、グエビンでマカク類の遊離歯化石を発見した。両地点の年代は、共産する哺乳類化石の予備的な解析からそれぞれ鮮新世初頭と鮮新世後半と考えられている。特にコロブス類化石は南アジア地域の最古の旧世界ザル類化石の可能性が強い。また同地点から見つかっている偶蹄類化石を中心に同位体分析を行い、古食性・古環境推定を行っている。 2)中国広西壮族自治区崇佐での調査 中国南部の崇佐の鮮新世末〜中期更新世の洞窟堆積物の発掘調査を行った。これまでにマカクの全身骨格を含む複数種の霊長類化石が見つかっている。種同定の他に堆積物の年代などがまだ未確定であるので、現在詳しい解析を行っている。 3)旧世界ザル類の頭骨内部構造の解析 ユーラシア大陸各地から見つかっている旧世界ザル類の頭骨の内部構造を、CT機器を用いて撮像し、現生種と比較することにより系統解析を行った。特にタジキスタンのParadolichopithecus、神奈川県のKanagawapithecus、フランスのDolichopithecusの頭骨内部構造の比較検討を行い、その成果を国際学術誌に発表した(Nishimura et al.,2008)。また複数の論文を投稿中である。または系統的位置に関する議論を行う。またロシアのバイカル湖南東のウドゥンガ地域の中期〜後期鮮新世の陸棲哺乳類化石相の解析を行い、英文報告書Asian Paleoprimatology, Vol.5を出版した(現在印刷中)。
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Research Products
(33 results)