2008 Fiscal Year Annual Research Report
黄砂発生源における地表面過程の研究-黄砂抑制政策への反映を目的として-
Project/Area Number |
20405038
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
木村 玲二 Tottori University, 乾燥地研究センター, 准教授 (80315457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 雅雄 長崎大学, 工学部, 准教授 (00240911)
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Keywords | 黄砂 / ダスト / 植被率 / 土壌水分 / リモートセンシング / 臨界風速 / 臨界摩擦速度 / 地表面温度 |
Research Abstract |
1.ダストの発生源であるモンゴルの半乾燥地域において,ダスト発生モニタリングに関する機材を設置し,発生期間における観測データを得ることに成功した。植被率が7%(ここでは枯れ草)程度と低いにも関わらず,飛砂の臨界風速に対する効果は高く,植生のダスト発生に対する影響が大きいことが示唆された。つまり,枯れ草による物理的な飛砂防止効果が存在することが明らかになった。 2.中国黄土高原を対象に,ダストの発生頻度(WMOによる世界気象観測報)と植被率(衛星データから算定),表層土壌水分(数値シミュレーションモデルから算定)との関係を検討した。その結果,植被率が18%,比体積含水率が0.2を超えるとダストの発生が抑えられることを明らかにした。 3.地表面湿潤度の診断法として,衛星データと気象データを併用した新たなプロダクトを提示した、具体的にはこれまでの衛星による昼夜地表面温度差に熱収支モデルで計算した地表面温度を同化した指標であり,流域の土壌水分や蒸発散量の空間分布を細かなグリッドでモニタリングすることが可能になった。 4.中国科学院・寒区旱区環境工程研究所において本科学研究費の研究に関する講演および調連研究者との共同研究に関するミーティングを行った。ダスト発生に関する地表面過程のモニタリングの重要性をカウンターパートに理解させ,来年度の10月に中国蘭州省の河西回廓にダスト発生モニタリングに関する機材を設置することを取り決めた。
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Research Products
(4 results)