2008 Fiscal Year Annual Research Report
経済発展とグローバリゼーション進行下における伝統的植物資源利用の変容
Project/Area Number |
20405048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
縄田 栄治 Kyoto University, 農学研究科, 教授 (30144348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 浩和 京都大学, 農学研究科, 准教授 (50303871)
坂本 正弘 京都大学, 農学研究科, 講師 (40303870)
中西 麻美 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 助教 (60273497)
小坂 康之 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト研究員 (70444487)
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Keywords | 植物利用 / 多様性 / ホームガーデン / DNAマーカー / 農業生態系 / 伝播 / 在来作物 / 野生植物 |
Research Abstract |
今年度は、ラオス北部及び中南部において、山地部では焼畑畑地、休閑林、常畑化した畑地、平原部では水田及び周辺二次林の植生について調査した。また、両者のホームガーデンについては全植物種を調査し、カセサート大学農学部・林学部の協力を得て同定した。現在、調査結果を分析中であるが、焼畑休閑林にタケが多いこと、畑地・水田ともに植生が単純化しつつあること、ホームガーデンには多様な植物種が植えられていることを確認した。上記の調査を実施した地域では、現地農家に伝統的植物資源利用の変化について、聞き取り調査を行った。農業の急速な集約化に伴い、農耕地からの生物資源利用が減少していること、ホームガーデンを含めて植物の薬用利用が減少していることなどが確認された。タイ東北部およびラオス中部において野生種マンゴー(Mangifera spp.)の遺伝資源探索および植物利用に関する聞き取り調査を行った。野生種マンゴーは栽培種とは区別して認識され、タイ東北部ではおもに丘陵地の田畑や道路脇などに単独で遺存することが多く、ラオス中部では田畑の中や自然林の中に単独または群落として見つかることが多かった。利用方法は地域によって異なっていたが、タイとラオスではいずれの地域でも薬用、食用、建材などに利用されていた。タイではその有用性の認識から自生個体を生活圏内に保存していることが多く、ラオスでは有用性は認めるものの積極的に保護する傾向は少なかった。PBAマーカーを用いたDNA分析の結果および形態的特徴から、野生種は栽培種と明確に区別された。また、タイとラオスでは異なる種が分布する可能性が強く示唆された。タケについては、ラオス北部ウドムサーイ県において試料の収集を行い、現在好適マーカー選定に関する分析を実施中である
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Research Products
(4 results)