2009 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯風土病バーキンソン病関連疾患の病因に基づく新規モデル動物を利用した治療薬開発
Project/Area Number |
20406005
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
太田 茂 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60160503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 数美 広島国際大学, 薬学部, 准教授 (20271067)
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Keywords | カリブ諸島 / バーキンソン病類縁疾患 / テトラヒドロイソキノリン / 天然物化学 / 構造決定 |
Research Abstract |
カリブ諸島グアドループにおいて、地域特異的なパーキンソン病(PD)類似疾患が高頻度で発生している。当地域では、トゲバンレイシAnnona muricata(バンレイシ科)を日常的に摂取しているが、本植物中からはPD発症に関与する可能性が考えられている神経毒性化合物tetrahydroisoquinoline(TIQ)類が検出されている。また、本植物の摂取を中止することによって疾患の改善が認められることから、本疾患の原因が植物中に存在する可能性は極めて高く、TIQ類の関与が疑われる。しかし、本疾患と植物摂取の因果関係を示唆する臨床学的見地に基づいた報告は数多く存在するものの、毒性発現メカニズムに関する報告は少なく、未だに不明な点が多い。そこで本年度は、昨年度に引き続き天然物化学の手法を用いて、トゲバンレイシ植物に含まれる成分を単離し、構造決定を行った。トゲバンレイシ乾燥葉のメタノール抽出物を水に懸濁し、各種有機溶媒で順次分配を行った。そのうちDragendorff陽性であったクロロホルム、酢酸エチル、プタノール層について、各種カラムクロマトグラフィーを用いて繰り返し分離・精製し、純粋な化合物を得た。得られた化合物の構造は、NMRを中心とした各種スペクトルデータを解析して決定した。その結果、新規TIQとして(R)-N-methylnornuciferine、既知TIQとして(S)-orcorydine、(R)-anonaine、(S)-O,O-dimethylcoclaurine、(S)-4'-O-methylcoclaurineの構造を決定した。その他にも、メガスティグマン11種(うち新規化合物4種)、フラボノイド2種、脂肪族アルコール1種、テルペノイド1種を単離した。
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Research Products
(7 results)