2012 Fiscal Year Annual Research Report
旧ソ連邦セミパラチンスク核実験場周辺住民に多発する顎顔面口腔疾患の分子疫学的研究
Project/Area Number |
20406030
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡本 哲治 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (00169153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 幸男 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (20335665)
星 正治 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 名誉教授 (50099090)
福井 康人 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (90363085)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | セミパラチンスク核実験場 / 低線量被ばく / インターロイキン1 / 遺伝子多型 / 歯周病 / 顎顔面口腔疾患 / 口腔常在菌 / ヘリコバクターピロリ菌 |
Research Abstract |
SNT周辺の高線量被爆地域(HIR)3地区(ドロン、サルジャール、カラウル地区)および対照地域1地区(コクペッティー地区)の計338名の成人住民の口腔疾患および全身疾患罹患率の調査を行った。その結果、HIR住民の欠損歯数(p<0.001)、歯周病等の口腔疾患罹患率(p<0.001)、全身疾患罹患率(p<0.001)は対照地域の同年齢群と比較して有意に上昇していることが明らかとなった。対象をコクペッティーとサルジャール地区の51~55才の成人に限定し因子A[IL-1α(889)およびIL-1β(-511)遺伝子多型]と因子B[地域差]を従属変数、喪失歯数(コクペッティー地区平均喪失歯数:10.37本、サルジャール地区:15.43本)を目的変数として二元配置法による分散分析を行った結果、遺伝子多型により喪失歯数の違いがみられた(p<0.01)。しかし地域が異なると著しい喪失歯数の違いがみられ(p<0.001)、地域差の方がより大きな影響因子であることが明らかとなり、サルジャール地区では放射線の顎・顔面・口腔系への影響が強く示唆された。核実験場周辺住民の血液・唾液・歯垢由来DNAを用いて口腔常在菌ならびにHelicobacter pylori : H.pについてPCR法で検討した結果、SNTS周辺住民の歯周病原菌の検出頻度と歯周病態は相関しており、歯周病発症に関与する細菌叢の成立には特にA.a、T.d、P.iの3菌種が深く関わっていることが示唆された。また小児期からP.gを高頻度に認めたことから日本人に比べ歯周病発症のリスクが高いと考えられた。SNTS周辺住民の高いH.p感染パターンは井戸水等、生活・衛生環境の不備による水系感染や糞-口感染がその一因と考えられ、HIR住民における高い喪失歯数は、口腔内細菌叢の変化ではなく環境因子や宿主側因子に起因することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(17 results)