2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500017
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮野 英次 Kyushu Institute of Technology, 情報工学研究院, 准教授 (10284548)
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Keywords | ソーティングバッファ問題 / メトリックスペース / 一様メトリック / マンハッタンネットワーク / 近似上界 / 近似下界 / 直径 / 部分グラフ |
Research Abstract |
本研究の目的は,NP困難問題と呼ばれる多項式時間で最適な解を求めるためのアルゴリズムを持たないであろうと予想されているグラフ最適化問題を対象に,最適解に対する近似精度を理論的に保証できるアルゴリズムの設計手法を構築することである.また逆に,多項式時間ではより近似精度の高いアルゴリズムを設計することは理論的に不可能であるという近似限界を示すことにより,近似精度の数値的な指標を与えることを目的とする.今年度の具体的な研究成果は以下である:(1)ソーティングバッファ問題:ソーティングバッファ問題の入力は,メトリックスペース上の頂点で表された要求の列,それらの要求に応えるために頂点から頂点へと移動を行うサーバ,ある容量制限を持つソーティングバッファである.サーバのコストは移動頂点間の距離とし,ソーティングバッファを用いて要求列順を入れ替えることでコスト最小化を行う問題である.一般のグラフに対する困難性は知られていたが,完全グラフ(一様メトリック)に対する困難性については未解決問題であった.本研究課題で初めてNP困難性を示した.(2)最小マンハッタンネットワーク問題:2次元平面上の2点間をマンハッタンパスで結び,全体のネットワーク長を最小化する問題に対して,これまでに2つの2近似アルゴリズムが示されている.これらに対して,それぞれ,1.5近似,2近似下界例を示した.(3)その他:連結無向グラフが入力として与えられた時,直径がd以下となる部分グラフの中で頂点数が最大となるような最適化問題について,その困難性,近似上界,近似下界の検討を始めた.この問題はクリーク最大化問題の一般化である.
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Research Products
(14 results)