2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500053
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大橋 勝文 Kagoshima University, 工学部, 准教授 (00381153)
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Keywords | 分子コンピュータ / 光応答性分子 / 並列計算 / 光制御 / FDTD / 分子演算 / フェロモン / 社会システム |
Research Abstract |
研究代表者が提案した新しいコンピュータアーキテクチャからなる並列演算型分子コンピュータ(並列アナログ分子コンピュータ)の研究を行った。本コンピュータは、分子素子で構成された分子であり、(1)演算には光応答性分子の物性操作を、(2)並列演算時の情報の受け渡しには分子間の電子やエネルギーの移動を、(3)並列演算には二次元配列させた光応答性分子を用いた情報の画像化による並列処理を採用している。そこで、本研究を通して、分子素子を用いた新規の演算手法の実現に向けての計算アルゴリズム開発を進めた。特に、ノイマン型コンピュータが苦手とする図形の認識および比較、経路探索問題などの情報処理を高速に行うためのアルゴリズム、光学系、分子素子等について、コンピュータシミュレーションを活用しながら、効率的に分子演算システム開発を行った。 光学系に関しては、演算素子の小型化を視野に入れた演算システム及び光を用いた演算素子同士の情報のやり取りなどを考慮した設計を行うために、空間の電磁場分布を時系列に計算できるFinite Difference Time Domain method (FDTD)法を導入して、分子演算に用いるための光制御構造の検討を進めた。その結果、異なる波長の光で可逆的に構造を変化させる光応答性分子を用いた演算システムに適した光入力構造を提案することができた。この成果は、特許出願後、論文等で発表する予定である。 また、照射する光の波長によって可逆的変色する光応答性分子を二次元的に配置した基板を道路地図、光の照射位置を走行する車とすることで、光応答性分子が濃く変色する部分が渋滞場所となることを見出しているので、本コンピュータをより実用的なものとするために、本コンピュータに情報を入力するための光の照射位置(走行車の位置)を実際の道路を撮影した画像から抜き出すシステムを開発した。
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