2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500087
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
宮田 一乘 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 知識科学教育研究センター, 教授 (00308355)
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Keywords | 質感表現 / 詳細度制御 / ビジュアルシミュレーション |
Research Abstract |
21年度は,人間の視覚特性を考慮した質感表現を行うことでCGの質感表現に対する処理の効率化を試みた.具体的には,リアルタイムでの物体表面の凹凸付け手法として用いられているパララックスオクルージョン(視差遮蔽)マッピングとバンプマッピング,テクスチャマッピング手法の3手法を,表現する物体表面の詳細度に応じて切り替えて適用した.質感表現に詳細度の概念を取り入れるため,前提となる質感表現に関する視覚特性の分析を予備実験として行った.この実験から,CGにおける画像の提示においても凹凸を感じるか感じないかの要素に,空間周波数の変化が関与していることを確認した.つづいて,CG画像の質感表現の手法を同一シーン内で切り替えた際,切り替えなかったCG画像との違いが認識されるのは,どのような条件であるかを調べるための評価実験を行った.実験では表面の凹凸と模様の周期について様々な条件の下で行った.この評価実験の結果を基に,視覚に応じた質感表現の手法の切り替えを判定する関数を定義した.パララックスオクルージョンのみを用いて描画したときと,提案手法を用いて描画したときの描画速度について比較を行った結果,1-2割程度の速度の向上を確認した.また,実験の結果から,模様が細かくなると手法の違いによる生成画像の違いを認識できなくなる閾値の範囲が広がることが認められた.さらに,物体の変形にともなう質感の変化の表現手法に関しても研究を進めた.具体的には,モデルの形状の変形箇所を抽出し,該当箇所の微細な凹凸形状に変化を与える手法を試みた.
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