2009 Fiscal Year Annual Research Report
生活環境におけるユビキタスサービス連携のためのポリシー自動調整と分散協同作成支援
Project/Area Number |
20500101
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
飯島 正 Keio University, 理工学部, 講師 (20245608)
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Keywords | ユビキタスサービス / ポリシー調整 / サービス連携 / セキュリティ / 分散作業支援 |
Research Abstract |
本研究では,生活環境に存在する多な機器,家具,設備などに,いわゆる知的エージェントを埋め込み,それらが連携協力して,生活者が複数同時に持っている複数の潜在的な目標の達成を支援することを目的とする. 平成21年度は以下の4つのサブテーマに取り組んだ.(1)ユビキタス・サービス向けサービスポリシー記述言語の設計,(2)サービスならびに利用者やデバイス状況を記述するオントロジーの構築と状況取得,(3)ポリシー自動調整機能の実現,(4)ポリシー協同執筆支援サーバの構築,である.(1)のサービスポリシー記述言語は,文書情報の各項目に対して役割に基づくアクセス制御ポリシーを規定するためのXACML規格をベースにユビキタス・サービスに拡張することで規定することを試みた.前年度にXACMLにおける義務記述の表記法を規定し電子カルテのためのアクセス制御のデモを作成したが,さらにそのデモに認証強度に関する調整機能を追加して洗練化し,加えてユビキタス・サービスへ展開すべく例題の構築と分析を行った.(2)は,RFIDタグを使った認証に基づき,利用者とその環境の状況を推定し,それらに適応して機能を替える情報家電機器向けリモコンの構築作業を通して実施した.(3)については,文脈を考慮したNet-within-Net意味論に基づくオブジェクト指向ペトリネットで,ポリシー保守のトリガーとなるイベントと保守手続きを記述することで実行タイミングの調整を図る方式を提案し,エディタやシミュレータを含む一部のツールを構築した.モデル検査技法によって,事前にポリシー間め競合を分析することも試みた.これらにより,ユビキタス・サービスのための競合し合う複数のポリシーに基づいた制御の基礎を作ることができた.(4)については,文字情報だけでなくペトリネットのようなグラフ構造のための共同執筆環境の構築に着手した.
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