2010 Fiscal Year Annual Research Report
生活環境におけるユビキタスサービス連携のためのポリシー自動調整と分散協同作成支援
Project/Area Number |
20500101
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
飯島 正 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (20245608)
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Keywords | ユビキタスサービス / ポリシー調整 / サービス連携 / セキュリティ / 分散作業支援 |
Research Abstract |
前年度に引き続き以下のサブテーマに取り組んだ:(1)ユビキタス・サービス向けサービスポリシー記述言語の設計,(2)状況取得手法の実現,(3)ポリシー自動調整機能の実現,(4)ポリシー協同執筆支援サーバ構築である.(1)では,アクセス対象により強度の異なる認証手段を切り替えるように,XACMLに基づく電子カルテ向けアクセス制御デモの高度化を試みた.さらにポリシー記述に慣れない利用者が容易に的確に記述できる「例に基づくインタフェース」を提案し,対象ポリシーの限定の下,実装によって効果を確認した.(2)では,RFIDタグによる部屋単位の人の位置把握に加え,Webカメラによる室内の人物頭部の位置把握(追跡)を試みた.複数カメラを利用しても死角が発生しうる隠蔽(occlusion)問題に対し,魚眼レンズを備えた全周カメラを併用しparticle filter手法の下で情報統合する手法を提案し実験した.その結果,単一人物の直立移動に限るが,隠蔽領域の縮小に貢献できることを確認できた.この位置把握サブシステムは分散システムとして設計したが,実験用PCの資源制約のため他の状況取得手法とのマルチエージェントシステムとしての統合は見送った.(3)では,昨年度より進めているオブジェクト指向ペトリネット(0PeN)による文脈を考慮したポリシー表現を洗練化した.(4)では,Javaでのサーバ実装とActionScriptでのクライアント実装の組合せで,0PeNの共同執筆環境を実装した.クライアントはFlash Playerの使えるAndroid携帯端末上でも利用可能である.本研究計画では,サブテーマである要素技術を一部制約付きとはいえ実現できた.その統合実験は当初より,別途,進行中のユビキタス・サービス環境開発と歩調を合わせる計画であり今後の課題と位置付ける.
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