2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500102
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松田 一朗 Tokyo University of Science, 理工学部, 准教授 (70287473)
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Keywords | 画像符号化 / ロスレス再符号化 / JPEG標準 / 離散コサイン変換 / 算術符号化 / 一般化ガウス関数 / 画像情報工学 / データ圧縮 |
Research Abstract |
平成20年度は、静止画像の圧縮方式として最も一般的なJPEG標準を対象としたロスレス再符号化方式の開発に注力し、その基本性能を明らかにした。主要な検討項目およびその成果を以下に示す。 1.JPEGファイル解析器の作成 JPEG標準規格を詳細に調査し、JPEG方式で符号化された画像データのファイルからロスレス再符号化の対象となる変換係数や量子化テーブルなどの情報を抽出するツールを開発した。この際、オープンソースソフトウェアとして公開されているJPEGライブラリを利用することで、開発期間を大幅に短縮している。 2.基本アルゴリズムの策定 上記の解析器を利用してJPEGファイルに含まれるDCT係数の統計的性質を調査し、得られた知見に基づいて効率的なエントロピー符号化手法の検討を行った。その結果、DCT係数の確率密度関数のモデル化には一般化ガウス関数が適当であるとの結論を得た。また、画像の局所的なアクティビティの変動に対処するため、DCTが適用されるブロックを複数のクラスに分類し、クラス単位で8×8の周波数成分毎に一般化ガウス関数の分散値を記述する分散マップを割り当てる手法を考案した。 3.ロスレス再符号化器の試作と性能評価 前項の検討結果に基づいて、JPEG画像の再符号化アルゴリズムをソフトウェア実装し、JPEGファイルと提案手法のビットストリームを相互に変換するトランスコーダを試作した。また、絵柄や圧縮率の異なるJPEG画像を多数収集し、符号化効率の評価を行った。提案方式の性能は、先行方式の中で最も高性能であるStuffItとほぼ同等であり、更なる効率改善のためにはブロック間相関の利用が有効であるとの見通しを得た。
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Research Products
(4 results)