2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500102
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松田 一朗 Tokyo University of Science, 理工学部, 准教授 (70287473)
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Keywords | 画像符号化 / ロスレス再符号化 / 算術符号 / 離散コサイン変換 / ウェーブレット変換 / 動き補償予測 / 画像情報工学 / データ圧縮 |
Research Abstract |
前年度に開発したJPEG静止画像用ロスレス再符号化アルゴリズムをベースとして、JPEG 2000やMPEG-1といった他の符号化規格への拡張を図り、その基本性能を明らかにした。主要な検討項目およびその成果を以下に示す。 1.JPEG 2000静止画像のロスレス再符号化 JPEGの後継規格であるJPEG 2000は、ウェーブレット変換と算術符号を採用した新しい静止画像符号化標準であり、符号化効率の改善の余地は少ないと考えられてきた。しかし、筆者らはJPEG 2000が各種スケーラビリティ機能を提供するためにビットストリームの構造に制約を課していることに着目し、帯域間相関を利用したブロック適応予測とコンテクストモデリングの手法を新たに開発した。その結果、JPEG 2000の画質を一切犠牲にすることなく、符号量を3~6%程度削減することに成功し、当該研究課題の概念が比較的新しい符号化規格にも有効であるとの知見を得た。 2.MPEG-1動画像のロスレス再符号化 マルチメディアコンテンツの中核を成す動画像信号は静止画像に比べてはるかにデータ量が多く、ロスレス再符号化によって蓄積・伝送容量を削減するメリットは大きい。本年度は、実用的な動画像符号化方式の先駆的な存在である、MPEG-1規格で記録された映像信号のロスレス再符号化について本格的に検討を開始した。MPEG-1は離散コサイン変換(DCT)を採用するなどその基本構成はJPEG方式に類似しているが、時間方向の冗長度を削減するために動き補償予測の技術を導入しており、これに付随する動ベクトルの情報を効率的に記述することが符号化効率改善の鍵となる。筆者らは、動的な確率モデルに基づいた動ベクトルの算術符号化方式を新たに考案し、JPEG用に開発したDCT係数の算術符号化手法と組み合わせることで、MPEG-1動画像の符号量を12~24%削減できることを明らかにした。
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Research Products
(8 results)