2011 Fiscal Year Annual Research Report
安全な共同作業に向けたミスコミュニケーション検出指針
Project/Area Number |
20500121
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
馬田 一郎 独立行政法人情報通信研究機構, ユニバーサルコミュニケーション研究所・多感覚・評価研究室, 専攻研究員 (40374110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 紀子 独立行政法人情報通信研究機構, ユニバーサルコミュニケーション研究所・多感覚・評価研究室, 専攻研究員 (80374106)
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Keywords | ミスコミュニケーション / 作業ミス / 視線データ / 共同注視 / ミス予測 |
Research Abstract |
共同作業における作業ミス予測のため、センサデータから作業者による共同注視状態を推測する試みを行い、この情報を利用したミスコミュニケーション検出について検討した。 平成23年度は、平成22年度末に収録した共同作業課題実験データの解析を行った。視線データとヘッドマウントカメラの画像を比較し、ヘッドマウントカメラ画像情報で注視情報を代替する可能性を検討した。ヘッドマウントカメラ画像の分析視野角を15度位内に設定して三人の作業者の共同注視について推測を行うと、視線データによる推測結果との一致度が高くなったが、ヘッドマウントカメラ画像設定視野内に注意対象候補が多数含まれる部分については推測が困難になるケースがみられた。また、今回の実験課題では、二人の作業者の共同注視に関してはヘッドマウントカメラ画像のみからは注意対象の推測が困難であることが示唆された。この結果から、ヘッドマウントカメラの視野角設定は、作業ドメインの注意対象候補の密集度や対象と作業者の距離に応じて設定する必要が示され、また共同注視予測精度は三人以上の共同注視において期待できることが示唆された。 ミス予測については、各作業者が並列で作業を行う状態が続いている状態で共同注視の発生頻度が低い場合、ミスの発生頻度が高くなる可能性が示唆されたが、共同注視が起こらない場合には必ずミス発生につながるという訳ではないことが観察された。この結果から、現状ではミスを起こしやすい作業チームを共同注視推測データから分類する可能性は有望であるものの、このデータを作業現場でのリアルタイムのミス予防にそのまま応用することは困難であることが示された。リアルタイムでのミス予測に応用するためには、各作業者が果たしている役割(作業指示者、作業実行者、など)や、作業プロセス(状況調査、対象の操作、作業結果確認など)などの作業コンテクストを考慮する必要性が示された。
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Research Products
(2 results)