2008 Fiscal Year Annual Research Report
トップダウン制御可能なマルチエージェント協調・競合アルゴリズムの提案
Project/Area Number |
20500133
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
栗原 聡 Osaka University, 産業科学研究所, 准教授 (30397658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 俊治 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70396133)
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Keywords | フェロモンコミュニケーションモデル / マルチエージェント / 次世代高度交通制御システム(ITS) / 分散協調 / 渋滞予測 / VICS / Probeシステム / 実時間性 |
Research Abstract |
本研究では,局所的な情報に基づいて自律的に動作する多数のエージェントが,互いに協調してボトムアップに構成するシステムにおける,個々のエージェントの有用な設計法の創出を目指す.これは,次世代知的交通制御システムや,電子市場システムなどの,次世代型の巨大かつ複雑なシステムを構築するために必須な主要基盤技術となる.今年度は,次世代知的交通制御システムに着目し,(1)フェロモンコミュニケーションモデルによる短期的渋滞予測システムの構築,並びに (2)複数の交通情報を効率的に利用する最適な交通情報提供手法の構築,に取り組んだ.(1)は現在における渋滞予測システムであるVICSなどでは対応できない数分先の渋滞予測を目指し,分散制御型の短期的渋滞予測システムを提案した.これは各交差点に簡単なサーバを設置し,各サーバ上の道路エージェント同士が協調することで局所的な渋滞予測を行うものであり,これを実現するためにフェロモンコミュニケーションモデルを導入した.フェロモンコミュニケーションモデルは環境のすばやい変化にも柔軟かつ頑健に対応できるモデルとして様々な分野で応用されている.今回は各道路エージェントが自身の道路の渋滞度を表すフェロモンを近隣の道路エージェントとやり取りすることで効果的な渋滞予測を行うことを試みた.また,(2)では,正確な交通情報提供システム構築を目指した.現在運用されている,VICSやProbeシステムはそれぞれの持つ制約のため十分なエリアカバー率および精度を達成することは難しい.そこで,本研究では高精度・高エリアカバー率の交通情報提供システムの実現を目指し,フェロモンシステムや蓄積データベースなど複数の情報源を活用して情報未提供区間の補完を行うと共に,それらの各情報源の予測値に信頼度を設定することによって,各道路リンクが最適な情報源の選択を行うシステムを構築した.
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Research Products
(8 results)