2010 Fiscal Year Annual Research Report
反射特性の空間的変化を伴う少数画像からの光学情報復元に関する研究
Project/Area Number |
20500155
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原 健二 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 准教授 (50380712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦浜 喜一 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (10150492)
井上 光平 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 助教 (70325570)
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Keywords | 反射特性 / 光源状況 / RBFネットワーク / EMアルゴリズム |
Research Abstract |
現実世界の物体やシーンは、入射照明、幾何形状、物体表面の反射特性が複雑に絡み合ってさまざまな見えを生じる。コンピュータビジョンの多くの応用を成功に導くために、この複雑な相互作用を解消し、構成要素、すなわち、照明、幾何形状、反射特性のいずれか、あるいはすべてを抽出することが非常に重要であった。本年度は、表面の鏡面反射のみを含む鏡面反射画像一枚のみから形状が既知の物体表面の空間不均一な鏡面反射特性と光源状況を推定する手法を開発した。このような画像は、たとえば偏光を用いた反射成分分離などで得ることができる。残りの反射特性、すなわち拡散反射はランバート反射を仮定したうえで光源状況の推定値を用いて、あらかじめ分離した拡散反射のみの画像から陰影を除去することにより、推定することが可能になる。目的は同じでも多数枚の画像を入力とする従来手法とは異なり、提案手法は単一の点光源を仮定しない。鏡面反射をある球面上確率分布でモデル化し、この空間変動を擬似radial basis function(擬似RBF)を用いて符号化した。これにより、空間的に不均一な鏡面反射特性と光源状況の同時推定を確率的推論問題として定式化することが可能となった。特に、ここでは、I-divergenceと呼ばれる統計的な誤差尺度に基づく制約付き最適化としてロバストな同時推定アルゴリズムを導き、これを解くためのEMアルゴリズムを考案した。これと同時に、擬似RBFの中心・幅とその個数の学習により、鏡面反射特性の最適符号化を行った。合成シーンと実世界シーンに対して本手法の有効性を示した。
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