2009 Fiscal Year Annual Research Report
韻律制御可能な電気式人工喉頭の訓練プログラム開発研究
Project/Area Number |
20500163
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小池 三奈子 Kitasato University, 医学部, 非常勤講師 (50276177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粕谷 英樹 宇都宮大学, 工学研究科, 名誉教授 (20006240)
菊地 義信 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (20091944)
堀口 利之 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (30157078)
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Keywords | 電気式人工喉頭 / 韻律 / ピッチ制御 / 喉頭摘出者 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、親指一本でピッチを制御できる電気式人工喉頭(以下PC-EL)の効果的な訓練プログラムを開発することである。全く新しいピッチ制御機能を備えたPC-ELの訓練プログラムは、より自然な発話を望む喉頭摘出者(以下、喉摘者)が大いに期待するものである。H21年度は訓練目標を会話におけるピッチ制御として訓練プログラムを作成した。H20年度に開発したピッチ調整操作の訓練を行うためのコンピュータシステムを用いて喉頭摘出者(以下、喉摘者)を対象に操作実験を実施したところ、高齢の喉摘者は若年健常者と異なり、学習が必ずしも容易でなかった。そこで発話訓練では、単語におけるピッチ制御の正確さに拘りすぎずに、文のレベルで全体的なピッチパタンを作ることをめざした。4モーラ平板型の単語、その語を用いたアクセント句、アクセント句の組み合わせの順に進め、早期に文の訓練を開始した。短文の訓練がある程度進んだ段階で平行して、複合名詞や平板型以外のアクセント型の単語を訓練した。2週間の集中訓練後に録音した発話サンプルを音響分析したところ、自発話(質問に答える形式の発話課題)において、7名中5名は文末で下降ピッチパタンを作ることができ、うち3名は強調するアクセント句で正確にピッチを制御していた。喉摘者の多くが短期間の集中訓練後に会話である程度のピッチ制御を行ったことから、早期に文課題を導入する方法は適切と思われた。 聴取実験により、高親密度語の了解度がピッチ固定型ELよりもPC-ELを用いて発話した語の方が高く、また、発話の自然さ、聞きやすさは一対比較法により、ピッチ固定よりもPC-ELの方が好まれることが明らかになった。最終年度に向けさらに詳細な検討を加え、訓練プログラムを完成させる予定である。
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Research Products
(5 results)