2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代ロボットのためのデータ取得・選択機能を有するデータマイニング
Project/Area Number |
20500181
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
中村 恭之 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (50291969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 俊和 奈良先端科学技術大学院大学, システム工学部, 教授 (00231035)
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Keywords | Kernel PCA / RBF / 視覚センサ搭載ロボット |
Research Abstract |
本研究では,次世代ロボットに必要不可欠な新たなモデリング手法の開発に挑戦している.本年度は,大量の事例データの中からモデリングに必要なデータのみを選択する機能を実現する中心的技術となる,高次元空間のデータを非線形の写像関数を用いて低次元空間のデータに変換する手法について検討した.視覚情報を用いて3自由度マニピュレータを制御するシミュレーションの際に,入出力合わせて11次元のデータを取得し,このデータを圧縮することで,近年注目されているGPLVM法の性能を検証した.GPLVM法は最適化計算を伴うため,大量のデータがある場合は,かなりの計算時間を要することが判明した.そこで,GPLM法の代わりにKernel PCA法に基づく写像推定法について検討した.これまでに得られた知見は以下の通りである.(1)GPLVM法に比べKernel PCA法の方が,処理時間が短い.(2)データ取得する際には,ロボットを空間内でランダムに動作させるのではなく,ある一定の動作をさせて,その状況下でデータ取得する方が低次元空間において視覚的にわかりやすい変換データが得られる.(3)Kernel PCA法により高次元のデータを低次元化できるので,低次元化された高次元のデータ(マニピュレータの手先の位置姿勢を表すデータ)と,もともと低次元のデータ(マニピュレータの関節角度のデータ)の間の写像関係は,既存の方法(例えば,RBFネットワーク)を用いれば,容易に求めることができる.従って,モデリングに不足しているデータを検出して,それを基にシステムを動作させてモデリングに必要な新たなデータを生成する手法を設計できる見通しが立った.以上から本研究開発によって,人間の作業・生活空間において,人の活動を支援する高い安全性と信頼性を有する視覚センサを搭載したロボットシステムの実現の可能性を示せた点で意義深い.
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