2009 Fiscal Year Annual Research Report
共分散等を対象とした行動計量手法における漸近理論の応用
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20500249
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
小笠原 春彦 Otaru University of Commerce, 商学部, 教授 (70271731)
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Keywords | 相関係数 / 漸近展開 / 信頼性 / 標本分布 / 非正規分布 / モデルの誤特定 / 信頼区間 / 漸近キュミュラント |
Research Abstract |
相関係数の標本分布の漸近展開の発展として、一般に相関係数の2乗の値に対応する信頼性係数に関して漸近展開を求めた。 1.探索的因子分析モデルに基づく合成変量の信頼性の4種の推定量と合成変量の最大信頼性の5種の推定量を提示し、因子分析モデルのパラメータをウィッシャート最大尤度により推定した場合は最大信頼性の5種の推定量は同一となることを示した。推定量と対数をとった推定量の漸近キュミュラントを任意の分布の下でモデルの誤特定を考慮して導出した。また、モデルが真でない場合なモデルの誤特定を考慮した理論値は誤特定を無視した場合よりもシミュレーションの値に近いことを示した。さらに変数変換を用いたホールの方法および正規近似の方法による信頼区間のシミュレーションの結果を示した。 2.ガットマンとクロンバックによる信頼性係数のうち、ラムダ3(アルファ)、ラムダ2、ラムダ6について変数の層別に基づく変形版を構成した。このうちひとつはすでに層化アルファ係数として得られている。4種の層化係数のうち2つは層に付随する真の得点が存在する場合に意味があり、他の2つは層内の誤差に相関がある場合に意味があるものである。一部の信頼性係数についてそれらが真の信頼性に等しくなる条件を求めた。信頼性あるいは層化信頼性の推定量の標本分布の近似のために、非正規分布下における分布の漸近展開を導出し、有限な標本における漸近展開の正確さを調べるためにシミュレーションを行った。
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