2010 Fiscal Year Annual Research Report
共分散等を対象とした行動計量手法における漸近理論の応用
Project/Area Number |
20500249
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
小笠原 春彦 小樽商科大学, 商学部, 教授 (70271731)
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Keywords | 共分散構造分析 / 適合指標 / カイ2乗統計量 / 帰無分布 / 非正規分布 / 四分相関係数 / ステューデント化 / フィッシャーのz変換 |
Research Abstract |
1.共分散構造分析におけるモデルの適合指標の分布の漸近展開 共分散構造分析のモデルの適合指標のうち実際場面で用いられている10個以上の指標について標本分布の漸近展開を求めた。これらの指標には仮定したモデルに対する通常の尤度比統計量とその関数及び無相関観測変数のいわゆるベースラインモデルの尤度比統計量の関数が含まれる。漸近展開の結果は固定対立仮説と非正規分布の下で2項エッジワース展開によって得られた。 2.漸近的に分布の種類に依存しないカイ2乗統計量の帰無分布の漸近展開 一般的な共分散構造に関して、漸近的に分布の種類に依存しないカイ2乗統計量の帰無分布の漸近展開を非正規分布の下で求めた。同統計量の確率密度の高次の近似のための追加の項は異なる自由度を持つカイ2乗分布の確率密度の重み付の和より得られた。一方、対応するバートレット修正をこの漸近展開を用いずに別途導出した。固定対立仮説の下では標準化したカイ2乗統計量の分布のエッジワース展開をO(1/n)の次数まで求めた。 3.標本四分相関係数の分布の漸近展開 四分割表の標本割合に基づく四分相関係数を含むパラメータの推定量の正確な分布を周辺の割合が0のときの推定量の定義を与えた上で導出した。さらに母集団漸近標準誤差で標準化したパラメータの分布の漸近展開をO(1/n)まで求めた。また、ステューデント化した推定量については通常の正規近似の次の項までの分布の漸近展開を行った。数値例により、フィッシャーのz変換を行った四分相関係数の推定量の長所を探索した。
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