2010 Fiscal Year Annual Research Report
Item Count法における回答傾向の補正法に関する研究
Project/Area Number |
20500265
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
土屋 隆裕 統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (00270413)
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Keywords | 社会調査法 / 間接質問法 |
Research Abstract |
間接質問法の一つであるItem Count法では、項目リストのうち「当てはまる項目の数」のみを回答してもらうことによって、個々の項目に関する回答者の情報を秘匿し、率直な回答をためらう項目についても、より偏りの少ない調査結果を得ようとする方法である。ただし「当てはまる項目の数」のみを回答してもらうと、実際に当てはまる項目の数よりも少ない数を回答してしまうという回答傾向があることが知られており、この過少回答傾向を補正することがItem Count法の成功要件の一つとなっている。平成22年度は、長さの異なる項目リストを八通り用意し、各項目への該当・非該当を直接質問する方法、当てはまる項目の数のみを回答してもらう方法、当てはまる項目の数と当てはまらない項目の数の両方を回答してもらう方法の三通りを、Web調査法を用いて比較した。その結果、平成21年度の比較実験調査によって見出された結果と同様に、当てはまる項目のみを回答してもらうと該当項目数は最も少なくなること、当てはまる項目の数と当てはまらない項目の数の両方を回答してもらうことで過少回答傾向は軽減されることが明らかとなった。ただし項目リストが長いときには、当てはまる項目の数と当てはまらない項目の数の両方を回答してもらう方法であっても、過少回答傾向は十分に抑制されず、改善の余地が残された。さらに実際のItem Count法で精度の高い推定値が得られるかどうかについても今後の課題として残された。
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