2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトES細胞から神経幹細胞・神経細胞への新規分化誘導法の確立
Project/Area Number |
20500339
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
井上 順雄 Tokyo Metropolitan University, 人間健康科学研究科, 教授 (50159985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 孝 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (90150060)
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Keywords | ES細胞 / 胚性幹細胞 / 神経分化 / 神経幹細胞 / 神経細胞 / アストロサイト |
Research Abstract |
ヒトES細胞から神経系の領域に特異的な種々の神経幹細胞および神経細胞を調製する分化誘導法を確立することを目的に、我々が既にマウスES細胞およびサルES細胞について確立したNeural Stem Sphere法(NSS法)を、ヒトES細胞に適用した。ヒトES細胞のコロニーを、マウスアストロサイト条件培地(ACM:マウス脳由来アストロサイトを事前に培養した培養液)中で浮遊培養し、NSSを形成させ、神経幹細胞、神経細胞を分化誘導した。このとき形成されるNSSの内部構造を、NSS切片の免疫組織染色により解析して、Nestin陽性の神経幹細胞がNSSの球体の表層に存在するとともに、NSSの内部に形成される中空の小さな球状の細胞集合体として存在すること、さらに、その中空球状細胞集合体にβIII-tubulinに陽性の神経細胞も出現することを認めた。これは、中枢神経系形成過程における神経幹構造と関連する可能性があり興味深い。NSS形成の過程において、脳の部位特異的マーカー遺伝子のmRNA発現量については、前脳、前・中脳、中脳、後脳のマーカー遺伝子は高発現であったが、脊髄のマーカー遺伝子の発現は低かった。これは、NSS法を基本にして、ES細胞コロニーの浮遊培養条件を詳細に検討することにより、前脳から後脳までの神経系細胞を分化誘導できる可能性を示すものである。NSSを接着培養して調製した神経幹細胞からアストロサイトを分化誘導し、このアウトロサイトを培養することにより調製したACM(ヒトACM)を用いて、ヒトES細胞から神経系細胞の分化誘導することに成功した。これは、ヒト由来の細胞だけを用いて神経細胞を自己完結的に作成できることを示すもので、移植用の細胞を調製する上で重要である。
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Research Products
(29 results)
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[Journal Article] Self-contained induction of neurons from human embryonic stem cells.2009
Author(s)
Okuno T, Nakayama T, Konishi N, Michibata H, Wakimoto K, Suzuki Y, Nito S, Inaba T, Nakano I, Muramatsu S, Takano M, Kondo Y, Inoue N
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Journal Title
PLoS One 4
Pages: e6318(1-8)
DOI
Peer Reviewed
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