2008 Fiscal Year Annual Research Report
浸潤過程にある白血球中の構造タンパク・情報伝達分子挙動の実時間挙動解析
Project/Area Number |
20500402
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
片岡 則之 Kawasaki University of Medical Welfare, 医療技術学部, 准教授 (20250681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 博之 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (00241216)
梶谷 文彦 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (70029114)
平松 修 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (50208849)
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Keywords | ナノバイオロジー / ナノメディスン / 白血球 / 内皮細胞 / 情報伝達 |
Research Abstract |
白血球の内皮細胞への接着、内皮下への浸潤は、炎症を起こした血管部位で生ずる生体防御機構の1つであり、様々疾患に関与している現象である。しかしながら、白血球が、“いかにして狭い内皮細胞間隙を通過するのか"、“いかにして内皮細胞本体を貫通していくのか"、さらには、“内皮間隙と内皮本体という、浸潤経路の違いは何か"という、疑問には解答が得られていない。そこで本研究では、浸潤過程にある単球、あるいは好中球のアクチンフィラメントに着目し、3次元実時間でアクチン挙動を観察するシステムを構築し、さらには、単球-内皮細胞間の情報伝達メカニズムにも着目して浸潤経路決定に関わる因子の発見を目指している。 研究実施初年度である本年度は、主にヒト単球由来株化細胞であるTHP-1を用い、内皮細胞上の白血球2次元遊走解析のシステム、ならびに3次元遊走観察システムの構築は完了した。3次元システムでは、内皮細胞にGFP-PECAM-1融合ベクターを導入することにより、細胞間接着タンパクであるPECAM-1の実時間観察に成功した。その結果、内皮細胞上に発現したPECAM-1は単球浸潤時、単球の浸潤部位に集積し、その集積は浸潤終了後も30分以上にわたって維持されることが分かった。一方、白血球内のアクチン挙動を観察するシステムの構築には至らなかった。現在、Lifeact(Nature Methods,2008)を用いた方法を検討しており、次年度以降に白血球内のアクチンダイナミクス挙動の実時間観察を目指す。
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