2010 Fiscal Year Annual Research Report
浸潤過程にある白血球中の構造タンパク・情報伝達分子挙動の実時間挙動解析
Project/Area Number |
20500402
|
Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
片岡 則之 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (20250681)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 博之 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (00241216)
|
Keywords | 動脈硬化 / 白血球 / アクチンフィラメト / 内皮細胞 / ナノバイオロジー |
Research Abstract |
白血球の内皮細胞への接着、内皮下への浸潤は、炎症を起こした血管部位で生ずる生体防御機構の1つであり、様々疾患に関与している現象である。本研究では、遊走・浸潤過程にある単球のアクチンフィラメントに着目し、実時間でアクチン挙動を観察するシステムを構築し、単球の内皮下浸潤メカニズムの解明を目指す。 本年度は、生細胞中のアクチン観察法の確立を目指し、アミノ酸13個からなる新規のアクチン結合ペプチドであるLifeact(Nature Methods,2008)とQdot605との結合を行い、Lifeactを用いたアクチン染色法の有効性を確認した。LifeactとQdotを用いて単球系株化細胞THP-1のアクチン染色を行ったところ、従来法であるAlexa488 phalloidinを用いた染色結果と同様な結果であった。また、生細胞中での観察を目指す事から、Snap-tag(New England Biolab社:分子量20kD)と融合したプラスミドベクター作製した。ヒト末梢血より単離した単球に対してはプラスミドベクターの導入、タンパク、ペプチドの発現は困難なことから、株化細胞による遺伝子導入、アクチンの可視化を目指した。細胞としてはHL-60、U937ならびにTHP-1を用いてガラスマイクロピペットによる遊走制御を調べたところ、培養ディッシュ上でTHP-1が最も効率よく遊走を制御出来たことから、実験にはTHP-1を用いることとした。THP-1にLifeact+Snap-tagのプラスミドベクターを導入し、遊走状態でのアクチン観察にも成功した。現在さらに内皮細胞上で遊走状態にあるTHP-1のアクチン観察を実施している。
|