2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500464
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
木村 彰男 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (70118941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正門 由久 東海大学, 医学部, 教授 (10173733)
大田 哲生 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (20233132)
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Keywords | 脳波 / 筋電図 / コヒーレンス / 運動単位 / decomposition |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳波、表面筋電図、各運動単位の発射解析から、コヒーレンスの成り立ちを推測することである。これによって、その生理学的意義、運動調節における役割、病的状態における意義が解明されることが期待される。昨年度は、コヒーレンスが顕著な被験者について検討を行ったが、本年度はコヒーレンスが全く検出されない被験者に対して、脳波、筋電図に加えてさらに運動単位の発射を記録し、それぞれの関係について脳波からtriggerしての運動単位発射の解析、逆に運動単位発射からの脳波のback averagingなどを用いて、脳波、筋電図、運動単位の発射の関係を明らかにし、コヒーレンスのあるものとの運動単位の発射調節の違いについて検討した。これらには、筋電信号分解法decompositionを用いた。脳波および筋電図を多チャンネルで記録した。脳波はCzを中心に5-6チャンネル、筋電図が前脛骨筋(TA)から記録した。最大収縮の5-30%MVCを180秒間持続収縮させた。また針筋電図からは複数の運動単位を記録し、それぞれの運動単位の発射に分解した。その結果、コヒーレンスが検出されない被験者は、全く脳波の位相とは関連なく、運動単位は発射しており、それらに明らかな関係は見いだせなかった。昨年度、本年度の結果より、コヒーレンスは、運動単位の発射に対し大きく影響し、それらの発射は脳波の20Hz帯に反応して、弱収縮では、2対1に反応し発射していた。しかしながらその収縮の程度が強くなると、徐々に2対1から1対1に対応し、発射していた。これらより、コヒーレンスは運動野から脊髄への運動司令の強さの一面を示していると考えられ、これらの解析は運動調節におけるコヒーレンスの解析意義を示すものと考えられた。また脳波の解析をともに用いることで、運動単位の発車のメカニズムを知ることができると考えられた。
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