2009 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害養護学校における運動器障害に対する指導モデルの開発
Project/Area Number |
20500468
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
水間 正澄 Showa University, 医学部, 教授 (40157516)
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Keywords | 医療・福祉 / リハビリテーション / 知的障害児 / 運動器障害 |
Research Abstract |
1. 東京都内の知的障害特別支援学校6校を対象として昨年度実施した運動器障害の検診結果に対し訓練指導および生活指導等を行った。具体的には、直接検診で立位および座位姿勢、歩行の異常、関節変形、筋緊張の異常、関節可動域の異常に対して個別にストレッチ、四肢・体幹筋力の強化、生活指導、靴の指導などを行いその効果と実施状況について検討した。 2. 立位姿勢の異常は側弯、円背など脊柱変形が多くみられた。座位姿勢の異常は骨盤後傾位、円背などがみられた。歩容の異常は外旋位歩行、歩行時の動揺性が目立っていた。関節変形は反張膝やX脚、外反扁平足、開張足、外反母趾が多く認められた。筋緊張の異常は低緊張が多く、関節弛緩が加わっているものも少なくなかった。関節可働域の異常は股関節やひざ関節に軽度ではあるが関節拘縮を認めるものが多く、手指・手関節・肘関節・股関節・膝関節・足関節などに関節弛緩を認めるものも少なくなかった。対応としては姿勢異常・低緊張に対しては腹筋・背筋強化訓練、骨盤周囲筋群強化訓練、学級や自宅における適切な机といすの高さの指導を行った。扁平足などに対してはつま先立ち訓練や靴の指導ならびに必要に応じてインソールの作製を行った。歩容の異常や反張膝に対してはスロープ昇降訓練、必要に応じて靴の指導ならびにインソールの作製を行った、関節拘縮に対してはストレッチ方法の指導を行った。これらの指導の実施状況については学校においては担任によって実施度に差があった。また、家庭における実施においても実施度には差があった。実施者には症状の改善を認めるものが多かった。靴の指導については実施度が比較的高く、インソール作製者においては装着率が高く歩容の改善が認められた。 3. 今回行った指導は運動器の問題点として多くみとめられる姿勢、歩容の異常、足部変形に対しては有効と思われ、継続可能な指導モデルを作成する必要性がある。
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