2009 Fiscal Year Annual Research Report
患者が主体的に関わるロボットセラピー環境の構築と評価に関する研究
Project/Area Number |
20500493
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
永沼 充 Teikyo University of Science & Technology, 生命環境学部, 教授 (70319086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 章光 帝京科学大学, 生命環境学部, 准教授 (20245591)
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Keywords | ロボットセラピー / リハビリテーション / 高次脳機能障害 / 医療・福祉 / 特別養護老人ホーム / 理学療法士 / 作業療法士 / 人間生活環境 |
Research Abstract |
本研究では新しいロボットセラピーの形を提案することをめざし、脳の高次機能障害を有する高齢者を対象に、患者自身がリハビリテーションプログラムに主体的に関わることにより、その効果を高めることを目的としている。一般の高齢者施設や病院でも比較的簡単に入手できるよう市販のエンタテインメントロボットであるAIBO(ソニー製)を用いた。 平成20年度の研究により、コンピュータ機器の知識がない医療現場の療法士でも扱えるロボット操作端末を試作し、その有効性を確認した。今年度はこれをさらに発展させ、患者自身でも操作できることを目標にシステムを構築した。認知機能・運動機能が低下している高齢者が扱えるためには、極めて簡単なマン・インターフェースが必要となる。この目的のために、タッチスクリーン型とバランスボード型の2種類のインターフェースを準備した。前者は机上に置いたタッチスクリーンを指でなぞるかスクリーン上の特定の位置に触れてロボットを操縦する。後者はバランスボード上で体重移動をする被験者の重心位置の変化を検出してロボットに命令を送り、前進・後進・旋回させる方法で、ゲーム機用に市販されているボードを流用した。この場合は足踏みなどの運動により操縦可能となるため、物理的なリハビリも兼ねることができる。試作システムではインターフェースの詳細なデータをcsvファイルの形でリアルタイムに記録し、個人別にカルテを作成してプログラム管理することができる。たとえば、タッチスクリーン型ではデータ解析から習熟傾向が観察されたが、その度合いはストロークで方向や旋回を示す方法より、スクリーン上に書かれた前進、旋回という言葉による指示の方が高かった。 どのシステムも被験者の取り組みは積極的であり、日常的なリクリエーションに取り入れて個人的な経過データを蓄積することにより、効果的なリハビリテーションプログラムを実現できることが示された。
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Research Products
(16 results)