2008 Fiscal Year Annual Research Report
生徒一人一人がやる気を高める学習指導のあり方に関する研究
Project/Area Number |
20500566
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
深見 英一郎 Tenri University, 体育学部, 准教授 (10351868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡澤 祥訓 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (40110978)
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Keywords | 授業研究 / 体育授業 / 学習指導 |
Research Abstract |
本研究では、特に中学校・高等学校における運動の苦手な生徒たちを対象に、効果的な体育授業の進め方を検討しようと考えた。その理由は、中学校・高等学校は、生涯スポーツの基盤づくりの最終段階であり、この段階において体育・スポーツのすばらしさ、体を動かすことの心地よさ、そしてチームの勝利に向けて仲間と協力して努力することの尊さを体験し、実感する機会を得られなければ、おそらく生徒たちは、そのことに気付かないまま、一生スポーツとは無縁の生活を過ごすだろうと考えられるからである。運動の苦手な生徒の中には、小学校あるいは中学校期に、体育授業や体育的行事において、たとえば「自分だけが逆上がりできず、恥をかいた」、「『お前のせいで、スポーツ大会で優勝できなかった』とチームメイトから詰られた」など、悔しい思いやつらい体験をしている生徒もいるかもしれない。彼らが体育に熱心に取り組み、仲間とともに運動することのすばらしさを体験できるように、運動に対する動機づけの観点から効果的な体育授業の進め方を検討しようとした。 その結果、全体の生徒、抽出生徒ともに、毎時間の体育授業評価は右肩上がりに向上し、運動有能感も高まっていた。実際に観察した様子からも、単元はじめに比べて、倒立前転や側方倒立回転ができるようになった生徒が多くなり、友だちとお互いに補助しアドバイスし合いながら協力して学習に取り組む姿勢がみられた。 その一方で、抽出生徒の中には、運動ができないにもかかわらず学習に参加しようとしない生徒も確認された。特に、習熟別に分かれて練習する時間が設定されるようになると、運動が苦手な抽出生徒は課題に取り組まないようになった。今後は、その原因を詳細に分析し、彼らが課題に取り組むような手だてを考えていきたい。
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