2010 Fiscal Year Annual Research Report
内皮幹細胞及び樹状突起細胞の動態からみた全身諸臓器血管活性化
Project/Area Number |
20500573
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
南條 博 秋田大学, 医学部, 准教授 (70250892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 実貴夫 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 技術長 (20375306)
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Keywords | 内皮幹細胞 / 血管樹状細胞 / 大動脈 / 骨髄由来 / トレーニング / 内皮細胞 / 動脈硬化 / 活性化 |
Research Abstract |
トレーニングにより骨髄より動員された内皮幹細胞と血管樹状細胞が、全身諸臓器血管活性化に直接関与することを成体で明らかにする目的で、本研究を遂行した。骨髄キメラマウス4ケ月のトレッドミ負荷1週-4週後の大動脈を詳細に観察した。その結果、以下のことが判明した。1)骨髄由来樹状突起細胞が多く出現している部位とまったく見られない部位に分かれているのが特徴で、一様の分布ではない。2)骨髄由来樹状細胞は肋間動脈開口部で多く見られる。3)骨髄由来樹状細胞の出現頻度はトレーニングマウスとトレーニングしないマウスで有意な差はみられない。4)骨髄由来樹状細胞の出現頻度はトレーニング1~4週で差はみられない。5)骨髄由来内皮細胞は上行大動脈起始部にみられる。6)心臟毛細血管では多数の骨髄由来内皮細胞かせみられる。7)全身諸臓器の動脈、静脈、リンパ管に骨髄由来皮細胞がみられる。 さらに、週齢による骨髄由来内皮幹細胞、樹状突起細胞の動態を検討する目的で、骨髄移植後、17、22、32、48、52、57、60、64、72週間長期飼育マウスを作製し、大動脈詳細に観察した。その結果、骨髄由来樹状細胞は週齢とともに増加し、大動脈弓から下行胸部大動脈、72週では腹部大動脈に至る大動脈ほぼ全体に分布していた。すなわち、動脈硬化のない72週の老齢マウスにおいては骨髄由来樹状細胞が大動脈内膜全体に分布するという、世界で初の知見を病理形態学的に証明した。骨髄由来樹状細胞の動態と動脈硬化抑制との関連が示唆され、今後さらに研究を進める予定である。
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Research Products
(6 results)