Research Abstract |
本研究はフープテンションが人体に与える影響の内,負のそれを取り除くための客観的指標作りを目指している.指標の一つは適正圧の範囲を明らかにすることであり,もう一つはそれを簡便に測定するための簡易被服圧測定装置の開発である.本年度は以下に示す研究IとIIを実施した.研究I:昨年度に引き続き,圧力媒体に水を用いる圧トランスデューサーを選定し,測定圧の大きさによりセンサーの感度を変える装置を現在設計,組み立て中である.受圧部に関しては,様々な素材の受圧部を試作中である.研究II:ベルトで腹部を締めることによって呼吸運動の吸気のタイミングが変化するが,圧強度を大きくすると有意に遅くなる,つまり呼吸運動に有意な影響を与えることが明らかとなった.人体の内,比較的高い圧力で締め付けても"きつい"と感じない脚部に着目した.手掌皮膚温を指標として,首(前,後,全体),膝,足底を同面積の不織布(ポリエステル100%)で被覆したところ,有意に皮膚温を上げ,残存効果のある部位は,首の後ろと膝であることがわかった.膝を被覆して皮膚温を上げつつ,"きつい"と感じるまでゴムベルトで膝を圧迫すると,皮膚温が低下する被験者が多くいた.また足部に着目し,足首とそれより先端部の足部の日内変動を調べた.すると日本人の若年女性の右足のそれの増加率(8時の容積が基準)は,y=3.34(1-e^<-t/235.1>)に曲線近似され,有意に時刻変動することが分かった.8時間椅座位で過ごした時の足首の容積増加率の時定数は先端部に比べ,90分程度短くなることがわかった.このように,同じ足部であっても部位特異的に容積増加率の経時変化の様子が異なった.
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