2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500678
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
矢井田 修 京都女子大学, 家政学部, 教授 (50029352)
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Keywords | 複合不織布 / バギング性 / スパンレース不織布 / スパンボンド不織布 / 残留変形値 / 瞬間回復率 |
Research Abstract |
本年度は不織布の形態安定性、特にバギング性の改善について研究した。これまで、風合いの優れたスパンレース不織布の形態安定性について研究を行い、スパンレース/スパンボンド複合不織布がスパンレース単体よりもバギング性や風合いの観点から優れているという結果が得られた。本年度は分割複合繊維を用いたスパンレース/スパンボンド複合木織布を対象とし、積層構造・製造条件の違いと、最大荷重と荷重時間の違いが複合不織布のバギング性に及ぼす影響について調べた。また、スパンボンド構成比率の違いがバギング性に影響するかを検討するため、スパンボンド構成比率の異なる3種類の不織布のデータも参考にした。実験試料として、積層構造や製造条件(片面打ち、両面打ち、WJ二次圧)の異なる分割繊維を用いた12種類の複合不織布を用いた。これらの実験により、次の結果が得られた。1)最大荷重が増加するにつれてIR値が減少する。これは分割繊維を利用したことにより、繊維の太さが細くなり強度が小さくなったため、最大荷重の影響を大きく受けたと考える。IG値(瞬間残留変形値)、ID値(残留変形値)、バギング高さにおいても同じような結果が得られた。2)どの試料においても、荷重時間を増加させたときのIG値、ID値、IR値(瞬間回復率)にあまり差は見られなかった。これは分割繊維の柔軟性によるものといえる。しかし、最大荷重を増加させた時は、IG値、ID値、及びIR値に差が大きく見られた。これは分割繊維を利用したことにより、繊維の太さが細くなり強度が小さくなったため、最大荷重の影響を大きく受けたと考えられる。3)スパンボンド構成比率の違いが最大荷重と荷重時間の変化に影響しないことが分かった。
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