2009 Fiscal Year Annual Research Report
冷却面から垂直一次元方向における各種食材内部の冷却速度の測定と解析
Project/Area Number |
20500690
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
長尾 慶子 Tokyo Kasei University, 家政学部, 教授 (20217970)
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Keywords | 食品材料 / 温度低下曲線 / 熱移動現象 / 緩和時間 / 冷却操作 / 熱拡散率 / 指数式 / 無次元温度 |
Research Abstract |
上記研究課題を有する実験研究の出発点として、試料冷却用および試料温度変化追跡用各装置の設営、被検試料の選定と測定条件の設定、冷却により低下する試料温度の移動速度論的解釈等の各々につき始動した。それらを踏まえ、本年度(平成21年度)に実施した研究の内容とその成果は 下記の通りである。 冷却操作によって低下する試料温度を、試料の種類や冷却条件を越えて一般化するため、昨年度にテストした無次元温度の有用性を確認し、冷却操作開始時の試料温度T_0、冷却時間tにおける試料温度T_t、最終到達試料温度T_∞を各々用いて 無次元温度φ_c(t)=(T_t-T_∞)/(T_0-T_∞)を冷却中の時間tにおける試料温度として全試料を対象に表記することにより、相転移温度が50℃から100℃付近にまで広く分布するデンプン系食材やそれが30℃付近にあるタンパク質系食材等の多様な冷却曲線を同一スケールで比較することが可能となった。また冷却現象を熱エネルギーが散逸することによる緩和現象として捉え、冷却時間と食材試料温度との関係(冷却曲線)を以下の指数式φ_c(t)=exp[-t/τ_c(x)]として記述することの妥当性を検討した。そのため10種類を越えるデンプン系食材やゼラチン系ゲル等の試料を対象に、各々の冷却曲線から計算される時間定数τ_c(x)が実測された試料冷却速度をどの程度反映するかを、相関係数を求めて検証した。 その結果、これまでの測定結果と計算によれば、x=0の冷却面に接する部分を除き 実測された冷却曲線は、試料の種類を問わず上記指数式の関係に極めて良く適合する。
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Research Products
(32 results)