2010 Fiscal Year Annual Research Report
冷却面から垂直一次元方向における各種食材内部の冷却速度の測定と解析
Project/Area Number |
20500690
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
長尾 慶子 東京家政大学, 家政学部, 教授 (20217970)
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Keywords | 食品材料 / 温度低下曲線 / 熱移動 / 緩和現象 / 冷却過程 / ババロア / メレンゲ / 無次元温度 |
Research Abstract |
本研究課題の最終年度(平成22年)では、前年までの研究を総括するため次の二課題を設定した。 1) 加熱変性の原因成分を含む三種の食材(マーガリン、鶏卵白、小麦粉ドウ)を対象に、加熱後に続く冷却時の各試料内部熱移動の比較。 2) 液相と気相とを系内に混合分散させた不安定状態にある三種の食材(ホイップド生クリーム、メレンゲ、ババロア)内部の冷却時における熱移動の比較。 その結果、 1) 脂質の融解(マーガリン系)、アルブミンの熱凝固(鶏卵白系)、デンプンの糊化(小麦粉ドウ系)等の加熱変性は各試料比熱容量の変化に基づき温度上昇曲線に乱れを与える原因になるが、80~100℃から室温までの冷却中に見られる温度降下は試料内部x軸上10mmまでのどの測温距離においても伝導伝熱に基づく熱移動の緩和現象として推移する。さらに、 2) 分散相に多量の気相が混在する不安定系において、メレンゲは加熱過程で気相が系外に散逸したため、冷却過程での熱移動は対流伝熱として現われ、熱の散逸過程の解析が不能となる一方、ホイップド生クリームとババロアにおいては加熱と冷却の狭く低い温度範囲においても(約20℃→約10℃)、試料温度の低下を伝導伝熱に基づく緩和現象として数式化し、解析し得ることを明らかにした。
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Research Products
(12 results)