2010 Fiscal Year Annual Research Report
テーラーメイド食品をめざした新規構造澱粉の作出と物性制御に関する研究
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20500691
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
阿久澤 さゆり 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (60256641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 直子 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (90315599)
早川 文子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, 主任研究員 (00282905)
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Keywords | 日本晴変異体米 / 澱粉 / レオロジー特性 / 炊飯米 / 動的粘弾性 / 破断特性 / 表面付着 / RVA |
Research Abstract |
日本晴(野生型)の変異体米(SSIIIa)を作出し、その米粒および分離澱粉の特性を解析した。その結果、米粒の長さは日本晴および変異体米(SSIIIa)ともにほぼ同じ大きさで、重量および密度ともに日本晴と同程度であり、変異体米であっても通常の胚乳が形成されていることが示された。炊飯した米の形状は、日本晴に比べて縦長の炊飯米であることが分かった。 炊飯米の破断特性では、日本晴は平衡破断を示し、SSIIIaは明確な破断点を示す脆い炊飯米であった。表面の付着性は、SSIIIaは日本晴に比べて著しく低い値であり、SSIIIaの炊飯米の特性は、細長い形状でありもろく表面の付着性が低い特性を示すことが明らかとなった。 分離澱粉の糊液の粘度は著しく低く、動的粘弾性は貯蔵弾性率(G')および損失弾性率(G'')ともに顕著に低く、さらに、G'とG''の比で表されるtanδは日本晴れ0.32、SSIIIa0.28となり、SSIIIaが形成するゲルは日本晴に比べ粘性部分が発現している割合が少ない糊液であることが示された。 以上の結果から、SSIIIa(変異体米)の特性は、日本晴(野生型)と比較して、澱粉蓄積量は同程度であり、その炊飯米はもろく表面の付着性が低い特性を持つことが分かった。また、精白米粉のペースト特性では、著しく粘度が低い米粉ペーストであり、澱粉糊液の粘弾性特性においても、著しく粘度の低い特性を持つことが明らかとなった。 SSIIIaは米粒および精白米粉、分離澱粉は、低付着性、低粘度特性および難消化性成分を有する国内産米として利用できると考えられた。
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Research Products
(12 results)