2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500694
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Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
安藤 真美 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 准教授 (50234183)
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Keywords | 氷温 / 野菜 / 多糖類 |
Research Abstract |
【目的】前年度までの研究結果において、スイカを氷温貯蔵した場合、貯蔵期間の延長にともない氷温貯蔵区において対照区よりも遊離糖が増加する傾向があり、それ加えて甘味における官能評価の高さにつながることが認められている。そこで本年度は、スイカを含む5種類の果実類について氷温貯蔵による糖度上昇効果を検討した。 【方法】サンプルは、量販店にて購入した果実類(スイカ、パインアップル、バナナ、メロン、モモ、合計5種)とした。実験区は、冷蔵区(0℃、5℃)、氷温区(-1℃)の3区分とした。貯蔵期間は、最長で2週間とし、貯蔵開始後0・3・7・14日目に、(1)重量(2)外観(3)遊離糖(グルコース,フルクトース,スクロース)の定量(4)官能検査を実施した。 【結果】外観には顕著な変化は認められなかった。重量はいずれの試験区も3日目に減少を示した。この減少は呼吸作用により糖質が消費され,炭酸ガスおよび水蒸気となって拡散したためと思われた。官能評価においては、-1℃区のスイカ・パインアップルでは貯蔵期間の延長に伴い「甘さ」のほか,「みずみずしさ」「総合評価」における評価が有意に上昇した。一方、0℃区では大きな変化は認められなかった。ところが、遊離糖の量は0℃区において最も大きな上昇を示しており官能評価の結果と一致しなかった。これらの結果から、氷温貯蔵により生じた甘さの評価の上昇には、糖類以外の物質による甘さの増強効果が関与している可能性が推察された。
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Research Products
(3 results)