2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500699
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
松井 徳光 Mukogawa Women's University Junior College Division, 食生活学科, 教授 (20211807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 麻里子 武庫川女子大学短期大学部, 食生活学科, 助手 (90435321)
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Keywords | 発酵 / 微生物 / 食品 / 生理活性 / 酵素 / 担子菌 / 食肉 / 機能性 |
Research Abstract |
近年、食の欧米化が進み、高齢化社会を迎える中、心筋梗塞や脳血栓などの血栓症やガンが急増し、社会的に重大な問題となっている。そこで本研究では、食の欧米化の代表ともいえる食肉に注目し、これまでの研究成果を踏まえ、医食同源・予防医学の観点に立ち、毎日の食生活からこれらの疾病を予防することを主目的として、担子菌(きのこ)の発酵能を利用してコレステロールを低下させ、血栓症やガン予防に効果を示す機能性食肉の開発を試みた。したがって、本研究の主要な実験内容は、食肉を発酵する担子菌のスクリーニング、血栓症を予防する担子菌由来および発酵作用によって生じる抗トロンビン活性、線溶活性、抗酸化活性の測定および免疫力を高めガンを予防するβ-D-グルカンの測定、そしてこれらの種々の生理活性物質が新たに付加された機能性食肉の製造である。 平成20年度は、約100種類の担子菌を用いて、スモールスケールで豚肉における担子菌の生育を試みると共に発酵実験を行い、肉のタンパク質分解に関与するプロテアーゼ活性、血栓症予防に効果を示す種々の生理活性の測定を行った。その結果、担子菌は豚挽肉懸濁液において良好な生育を示し、発酵日数の経過と共に豚挽肉は分解され、肉懸濁液は乳白色から黄褐色に変化した。特に、スエヒロタケで発酵させた肉懸濁液は、線溶活性および抗酸化活性において強い活性を示した。以上のことから、今後、さらに詳細な実験が必要であるが、担子菌で食肉を発酵させることによって、担子菌発酵由来の機能性を付加させた新たな機能性食肉の開発が可能であると考えられる。
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Research Products
(6 results)