2009 Fiscal Year Annual Research Report
食事制限者向け災害備蓄用乾燥米の開発とその有効性に関する研究
Project/Area Number |
20500737
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
菅原 正義 Nagaoka National College of Technology, 物質工学科, 教授 (30259840)
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Keywords | 澱粉 / 高アミロース米 / 難消化性澱粉 / グリセミックインデックス / 湿熱処理 / 部分糊化 / 澱粉老化 |
Research Abstract |
災害時食事制限者は、健常人向けの保存食や栄養表示のない弁当類など救援食のみになる現状では、食事制限を維持するのが困難である。このように、食事制限者は災害弱者となり、症状の悪化が問題となっている。今回、慢性腎臓病などのタンパク質制限者向けアルファ米飯と糖尿病などのエネルギー制限、特に食後血糖値の上昇が穏やかな低グリセミックインデックス(GI)アルファ米飯開発について検討した。 新形質米品種の中で、澱粉中のアミロース含量が高い高アミロース米品種であり、新潟県における作付けが可能な3品種(夢十色、新潟79号、北陸207号)に対しを湿熱処理と部分糊化老化処理を行った。湿熱処理は乾燥したままの精白米に0.25MPaの蒸気を直接導入処理した後、速やかに大気圧に戻す処理で、糊化度を上昇させずに澱粉の性質を改変する処理である。また、部分糊化老化処理は、通常の炊飯条件の吸水率より低水分吸水させた米を蒸煮し50%程度の糊化度として、すぐに冷却することによって老化させる処理である。これらの処理米を行った米の難消化性澱粉含量、食物繊維含量、in vitroでの消化速度が低下し、低GI化できる可能性を確認した。湿熱処理は、処理装置の容量のため平成20年度は、一度に50g程度しか処理できなかったが、今年度は貫流ボイラーと50L容処理装置の作成により大量処理が可能となった。現在、ラットによる低GI化の確認のため、飼料添加用処理米粉末の調製を行っている。
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Research Products
(4 results)