2010 Fiscal Year Annual Research Report
風化作用を軸とした地球システム教育に関する教材開発
Project/Area Number |
20500754
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
秦 明徳 島根大学, 教育学部, 教授 (60198736)
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Keywords | 風化作用 / 地球システム / 教材開発 / 実験授業 / 理科教育 |
Research Abstract |
岩石の風化作用は気圏,水圏,生物圏,岩石圏といった地球サブシステム間の相互作用として成り立っており,地球システムとして説明できる身近な好例である。本研究では風化作用を軸とした花崗岩地帯学習の在り方について取り上げ,地球システム教育の一般教育における重要性とその可能性について探った。平成22年度は、教材化・カリキュラム資料の作成を継続するとともに、実験授業を試み、開発教材の評価を行うことに焦点化し以下の成果を得た。 (1)学習者の実態に基づいた地域素材教材化を継続し、カリキュラム構成に向けた資料を作成した。 観察の段階性に視点を置き、下記についてマクロな視点とミクロな視点を往還しながら進めることができるよう教材資料を総合的に整理・配列した (1)花崗岩地帯の地形・景観の特質とその観察方法 (2)花崗岩風化露頭における五感を用いての風化殻分帯とその観察方法 (3)偏光顕微鏡及び電子顕微鏡観察による各風化段階の鉱物相の同定 (4)X線回折による各風化段階の鉱物相の同定 (5)風化進行に伴う花崗岩風化物及び構成鉱物の化学組成の変化 (6)風化鉱物の脱水エネルギーに基づく結晶度の比較と古気候のエネルギー及び風化速度の推定 (7)人工風化実験による風化初期段階の定量的把握 (8)花崗岩地帯の段丘堆積物の風化度と基盤岩としての花崗岩の風化度の比較 (9)花崗岩地帯を流下する河床堆積物の特質の把握 (2)システム論的視点にたった風化作用を軸とした花崗岩地帯学習に関する教材開発カリキュラムについて島根大学附属中学校性を対象として実験授業を行い,その評価を踏まえながら新しい地球学習のありかたについて提案した。
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Research Products
(4 results)