2010 Fiscal Year Annual Research Report
太陽観測衛星「ひので」の観測データを中核とした太陽学習教材の開発と実践
Project/Area Number |
20500763
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
矢治 健太郎 立教大学, 理学部, 特任准教授 (10399305)
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Keywords | 太陽 / ひので / FITS / マカリ / 太陽黒点 / プロミネンス / コロナ / 高校 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、太陽観測衛星「ひので」の観測データを中核として、太陽学習教材の開発を行い、大学や中学校で実践を行った。また、高校・公開天文台・科学館との共同観測を実現した。教材開発を行う上で、天文学会、科学教育学会、宇宙科学技術連合講演会、太陽研究会のほか、海外の国際会議1件に出席し、ひので衛星の最新研究成果等の情報収集を行い、研究会出席者らと情報交換を行った。 豊島区の中学校で、ひのでのデータを用いた理科授業の実践を行った。マカリという画像表示ソフトを用いて、黒点や太陽コロナの画像を解析する実習を行った。事後アンケートから、「実習が難しい」という声があったが、太陽を理解する上で効果的だということがわかった。今後は、実習内容やワークシートの問題点を改善して、効果的な教材へと発展したい。大学の講義では、ひので画像を使ったワークシートを用い、大学生に太陽画像を解説させるレポート課題を課した。レポートの記述内容やキーワードを分析することで、学生の講義の理解度を確認することができた。また、画像を使ったレポート課題は講義内容の理解に有効であることがわかった。 本研究の目的のひとつである、ひので衛星との高校・科学館・公開天文台との同時観測を行う観測提案を行い、9月と12月に実施した。共同観測した高校の中には自身の観測結果と比較し研究発表を行った。結果、ひのでの観測データに関心をもつきっかけとなった。この共同観測は海外からの関心も高い。 研究成果については、国内の学会や研究会で3件、国際会議でも1件の発表を積極的に行った。10月にイタリアのパレルモで行われた国際会議では、ひのでの観測データを使った教育・アウトリーチの実践を報告した。現在、以上の教育実践や共同観測の結果を論文にまとめているところである。今後も学校現場の協力のもと、教育現場等で実践し、本研究の継続を行う予定である。
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Research Products
(5 results)