2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500789
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小島 智恵子 Nihon University, 商学部, 准教授 (70318319)
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Keywords | 原子力 / 原子力教育 / 科学技術史 / フランス / 日仏比較研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本とフランスにおける原子力民事利用教育(以下原子力教育)を歴史的観点で分析し、21世紀における原子力教育のあり方を客観的に問い直すことであるが、それに基づき、初年度においては、以下の研究実施計画を立て次の結果を得た。 1.日本の原子力教育の歴史的研究から着手し、年度初めから夏休み前までにその概略史をつくる。 →主に学習指導要領を調べ、日本に於ける初等・中等教育における原子力リテラシーは歴史的に拡大方向に進んでいるが、同時に社会系教科書においては、原子力発電に批判的な記述も多く見られることを見出した。 2.夏休み中8月下旬から9月中旬までは、フランスにて原子力教育の歴史に関する資料収集を行う。 →LyonにあるINRP(Institue National de Recherche Petagogique国立教育研究所)の図書館にて可能な限り教科書にあたり、原子力に関する記述について調査した。その結果、フランスでは過去から現在まで、ごく限られた教科書(参考書)の中でしか原子力を扱っていないことを明らかにした。 3.収集した資料を基に年度内に日本の原子力教育の歴史とフランスの原子力教育の概略史をまとめ、年度末3月の日本物理学会で研究成果を発表する。 →3月末に立教大学で行われた物理学会にて「フランスに於ける原子力開発史と原子力教育との関係」について発表を行った。 原子力教育の歴史に関する日仏比較は既存研究では殆どなされていないことをふまえると、本研究で原子力教育を歴史的手法を用いて分析したことは大きな意義があると考える。
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Research Products
(3 results)