2008 Fiscal Year Annual Research Report
発展的な知識獲得を支援する仮想実験環境におけるタスク制御機能の構築
Project/Area Number |
20500804
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
堀口 知也 Kobe University, 海事科学研究科, 准教授 (00294257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平嶋 宗 広島大学, 工学研究科, 教授 (10238355)
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Keywords | 仮想実験環境 / マイクロワールド / 適応的系列化 / オーサリング / Compositional Modeling / Intelligent Tutoring System |
Research Abstract |
平成20年度は,仮想実験環境において学習者に応じた課題の提示や支援を実現するための基盤技術の1つとして,知識記述の枠組みであるマイクロワールドグラフ(GMW)を半自動生成する機能を開発した.その枠組みは(1)学習環境を構成する個々のモデルとそれらの関係を表すモデルグラフ(GoM)の記述,(2)個々のマイクロワールド(MW)の記述,(3)MWとGoMの合成,(4)MW間の移行を促す移行タスクの自動生成,の4ステップから成る.従って,実装すべきモジュールは(a)ソフトウェア技術者を対象としたGoMのオーサリング環境と支援機能,(b)教師を対象としたMWのオーサリング環境,(c)パターン照合によるMWとGoMの自動合成機能,(d)GoMの推論能力による移行タスクの自動生成機能,である.研究計画に従い,これらのモジュールを個別に開発した上で統合し,GMWを半自動生成する機能を完成した.特に,GoM及びMWのオーサリングを行うために合成モデリング技術(Compositional Modeling)を用いることが有効であるとの知見が開発中に得られたため,これを採用した結果,同オーサリングを効率的に行うことが可能となった.本機能を試用した結果,初等力学における基本的な例題を扱うことができるGMWを半自動生成することができ,その有効性が確認された. 個々のマイクロワールドに対するオーサリング支援の試みはこれまでにも存在するが,本研究は一定の教育目的に従って一連のマイクロワールド群を作成・組織化することを支援するものであり,仮想実験環境を用いた学習の普及・実用化へ向けて重要な成果が得られたといえる.
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