2010 Fiscal Year Annual Research Report
発展的な知識獲得を支援する仮想実験環境におけるタスク制御機能の構築
Project/Area Number |
20500804
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
堀口 知也 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (00294257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平嶋 宗 広島大学, 工学研究科, 教授 (10238355)
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Keywords | 仮想実験環境 / マイクロワールド / 適応的系列化 / オーサリング / Compositional Modeling / Intelligent Tutoring System |
Research Abstract |
本年度は,平成20年度,平成21年度に開発されたモジュールをシステムとして統合した上で,予備的実験によりその実用性を評価した.すなわち,仮想実験環境において漸進的学習を実現するための知識記述の枠組みであるマイクロワールドグラフ(GMW)及びその半自動生成機能,GMW上で学習者の一連のタスク遂行状況からその理解状態を推定する機能を持つシステムを構築した.実験室における試験運用を通して動作確認及びパラメータ調整を行った結果,システムが設計通り良好に機能していることを確認した.また,実用性に関する予備的実験を計画・実施した,実験は,(1)実現したオーサリングツールによって実用的なGMWがソフトウェア技術者及び教師にとって過度の負荷なく記述可能か否か,(2)実現した学習者モデリングモジュールにより学習者の一連のタスク遂行状況からその理解状態を正しく推定できるか否か,の検証からなる.(1)については,本システムの開発者補助者である大学院生をソフトウェア技術者,家庭教師経験を持つ数名の大学院生を教師とみなして高校物理教科書の「力学I」をカバーするGMWを作成させたところ,過度の負荷なく適切なGMWを作成することができた(インタビューの結果などによる),(2)については,数名の大学生を被験者としてシステム上で実際に幾つかの問題系列を生成しながら問題演習を行わせたところ,適切な問題系列が生成できていることが確認された(各問題が自己の理解状態に照らして適切であったか否かを評定させた結果などによる).このことにより,仮想実験環境において漸進的学習を支援するための知識記述の枠組み及び支援機能の設計における本研究の提案手法の有効性が検証されたと考える.本研究により,仮想実験環境を用いた学習の普及・実用化へ向けて重要な成果が得られたといえる
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