2010 Fiscal Year Annual Research Report
思考と情報資源の相互作用を基礎とする非定型学習環境の構築:電子図書館との連携
Project/Area Number |
20500827
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宇陀 則彦 筑波大学, 大学院・図書館情報メディア研究科, 准教授 (50261813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 敦 筑波大学, 大学院・図書館情報メディア研究科, 助教 (40334073)
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Keywords | 学習 / 思考 / 情報資源 / 電子図書館 / 情報探索行動 |
Research Abstract |
本研究は学習と情報資源(教材、図書、学術論文、Web情報)の相互作用に焦点をあてる。本来、思考と情報資源は連動しており、理想的な環境は適切な情報資源が思考に追随してくれることである。本研究では、電子図書館システムと密に連動することで図書館の豊富な情報資源をオープンコースウェアと連携させ、学習者の思考に情報資源が追随する非定型学習環境の構築を目指す。 平成22年度は議論可視化、絵本選択、英単語学習、学習ノウハウ共有等の学習環境を構築し、それぞれのシステムについて評価を行った。特に、学習ノウハウの共有を支援するコミュニティ指向型図書館システムは、思考と情報資源の相互作用について正面から扱ったシステムであり、読書ストリーム、対話的読書、読書レシピという学習プロセスと密接に関連した概念を定義し、システムとして実装した。読書ストリームとは図書館の利用者同士が学習プロセスの記録を相互参照することで他者の読書体験を追体験するプロセスである。対話的読書とは読書ストリームを共有している図書館利用者同士が共通の資料について対話を行うプロセスである。読書レシピとは対話的読書を経たあとに読書ストリームから学習主題を抽出し、その主題に対する参考資料をまとめるプロセスである。本システムを読書コミュニティに興味をもつ利用者に公開し、一定期間利用してもらったところ、一定の評価を得ることができた。 3年間の研究を通じて得た知見は、学習における情報資源の役割は予想以上に大きいこと、思考と情報資源の相互作用は補完的であること、情報資源を提供するサービスは学習プロセスと乖離しており、改善を要することの3点である。
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Research Products
(5 results)