2008 Fiscal Year Annual Research Report
学習コミュニティにおける数理的説明文を対象とした論理的思考力評価支援システム
Project/Area Number |
20500840
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
川本 佳代 Hiroshima City University, 情報科学研究科, 助教 (10264938)
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Keywords | 教育工学 / 科学教育 / 解析・評価 / 情報システム |
Research Abstract |
本研究の目的は、これからの社会において重要な能力である論理的思考力に関して、学習支援者が数理的説明文(主観の入らない論理の組立てを基幹とする説明文)の評価を行う際に役立つ評価支援システムの開発であり、本年度は以下の研究を行った。 1.専門家が高く評価する数理的説明文の特徴の明確化 目的:数学の専門家が高く評価する説明文の特徴を明らかにする。 方法:(1)「e-教室」に投稿された説明文のうち高評価を得た説明文、その他の説明文を収集する。(2)その他の説明文と質的・量的に比較することを通して、高評価を得た説明文の特性を明確にする。 結果:高く評価される説明文は論理接続詞数、数式文字数、改行数等が多いことがわかった。 2.システム開発(一部) 目的:評価システムの一部を実現する。 方法:研究1の成果を実装する。 結果:量的に測定可能な項目(論理接続詞、数式文字数、改行数他)について、評価ができるよう実装した。研究1とは異なる対象で評価した結果、多くの項目で1と同様の結果が出た。これは評価システムとして有効であることを意味する(一部研究発表済)。 3.学習支援者による効果的なモデレーション方法の明確化 目的:評価支援システムが提供するアドバイスの基盤となる有効なモデレーション方法を明らかにする。 方法:学習支援者によるモデレーションのうち、それを受けた学習者がその後に書いた説明文が向上したものを「有効なモデレーション」とし、期待される効果別に推奨モデレーションの特徴をまとめた。 結果:「問題解決までの過程を記させる」には「目標と共にプランを要求する」、「言葉を正しく使わせる」には「指摘と同時に正しい言葉遣いを例示する」ことなどが有効であることがわかった(一部研究発表済)。 研究1に基づき行った研究2が目的とするシステムの原型であり、研究3の成果は今後組み込む予定である。
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Research Products
(2 results)