2009 Fiscal Year Annual Research Report
学習コミュニティにおける数理的説明文を対象とした論理的思考力評価支援システム
Project/Area Number |
20500840
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
川本 佳代 Hiroshima City University, 情報科学研究科, 助教 (10264938)
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Keywords | 教育工学 / 科学教育 / 解析・評価 / 情報システム |
Research Abstract |
本研究の目的は、これからの社会において重要な能力である論理的思考力に関して、学習支援者が数理的説明文(主観の入らない論理の組立てを基幹とする説明文)の評価を行う際に役立つ評価支援システムを開発することであり、本年度は以下の研究を行った。 1. 専門家の評価に基づく数理的説明文の特徴の明確化(昨年度から継続) 目的:数学の専門家が高く評価する説明文、および、低く評価する説明文の特徴を明らかにする。 方法:(1) 「e-教室」に投稿された説明文のうち高評価を得た説明文、その他の説明文を収集する。 (2) その他の説明文と質的・量的に比較することを通して、専門家が高評価/低評価を与える説明文の特徴を明確にする。 結果:専門家が高評価/低評価を与える数理的説明文は、アルゴリズムの有無、論理ステップ数、論理接続詞数、数式文字数、文字数、句点数、段落数、改行数等の項目に特徴があることがわかった。 2. システム開発(昨年度からの継続) 目的:本システムの基幹となる数理的説明文を評価するシステムを開発する(学習支援者のためのインタフェースは未実装)。 方法:(1) 研究1の成果に基づき、実装可能な項目について評価基準を設け、システムに組み込む。 (2) 「e-教室」の別の事例および他の数理的説明文についてシステムで評価し、その精度を示す。 結果:接続詞数、論理接続詞数、数式文字数、改行数、区点数、読点数他について実装した。このとき、評価の精度を上げるために、形態素解析エンジンMeCabを組み込んだ。このシステムを用いて他の事例を対象に評価した結果、評価システムとして有効であることがわかった。 以上の研究成果については、研究発表を行っている(11.研究発表 参照)
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Research Products
(2 results)