2010 Fiscal Year Annual Research Report
学習コミュニティにおける数理的説明文を対象とした論理的思考力評価支援システム
Project/Area Number |
20500840
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
川本 佳代 広島市立大学, 情報科学研究科, 助教 (10264938)
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Keywords | 教育工学 / 科学教育 / 解析・評価 / 情報システム |
Research Abstract |
本研究の目的は、これからの社会において重要な能力である論理的思考力に関して、学習支援者が数理的説明文(主観の入らない論理の組立てを基幹とする説明文)の評価を行う際に役立つ評価支援システムの開発である.本年度はその最終年度であり,これまでに行ってきた研究成果に基づく評価支援システムの開発とその評価を行った. 本システムは5つのパートから成り,学習支援者(評価者)はシステムによる支援を受けながら評価を行う. (1) 学習者入力部:学習者が数理的説明文を入力する. (2) 解析部:システムが数理的説明文を解析する. (3) 評価者への情報提示部:評価者に対し,評価すべき項目や,解析結果に基づく評価支援情報を提示する. (4) 評価者による評価入力部:(3)を参考にしながら,評価者は評価を記入する. (5) 学習者への評価結果提示部:(4)の評価結果を学習者に提示する. 特に解析部・評価者への情報提示部においてこれまでの研究成果を導入している.数学の専門家による評価に基づき,「よい説明文」の特性,「悪い説明文」の特性を明らかにし,それぞれの特徴に基づいて評価基準を作成した.例えば,専門家がよいと評価する文章には接続語が多い,箇条書を導入している等の特徴があり,それをシステムにおける評価基準として導入した.また,システムでは評価できない質的項目についての示唆も昨年度までに明らかにしており,評価者が質的評価する際の支援情報として提供している. そして,20人の被験者を対象に本システムの評価を行った.その結果,本システムの使用により,評価の質が上がり,時間的にも労力的にも評価者の負担が軽減されることが明らかになった.
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Research Products
(2 results)