2010 Fiscal Year Annual Research Report
戦後初期原子力開発の歴史に関する日韓の実証的な比較研究
Project/Area Number |
20500870
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 正勝 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 名誉教授 (20106959)
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Keywords | 冷戦 / 原子力 / 平和のための原子 / 日本 / 韓国 |
Research Abstract |
第二次世界大戦後戦後,日韓両国とも米国の影響下で,原子力利用計画が進められたが,その重要部分が秘密裏に行われたため,十分な相互理解が得られていない.本研究の目的は,韓国の研究者の協力を得て,共通の問題意識によって歴史過程の解明に当たり,正確な相互理解を得ようというものである. 今年度の主な研究成果は、以下の通りである。 1)広島・長崎の原爆被害調査と占領軍の検閲 近年、日本の科学者の占領軍への積極的協力が強調されたが、両者の相反の事実が確認できた。 2)西脇安氏の西欧へのビキニ放射能報告 従来、死の灰にウラン237が存在を告げた西脇報告で、英国側のロートブラットらが3F爆弾と理解したとされたが、放射能量がより重要であったことを確認した。 3)北朝鮮の核開発 韓国の歴史家、厳浩建氏の博士論文(2007年神戸学院大学)に基づいて、北朝鮮の戦後の核開発史について理解を得た。 以上の成果は、現在出版準備中の著書『日本における核開発:1939年~1955年(仮題)』績文堂で公表される予定である。
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